鉄拳の攻防でおさえておいてほしいセオリーに、間合いの概念がある。解説の便宜上だが、おおまかに『近距離』と『中~遠距離』の二つのレンジを定義する。『近距離』は密着~フロントキックが届く間合い、ジャブからバックダッシュくらいのレンジ。その場から出す攻撃が届く間合いと考えてほしい。
『中距離』は近距離から抜けた、フロントキック先端が届かなくなるくらいの間合い。リーチの長い技は届くが、基本的に攻撃を仕掛ける際にステップイン動作が必要になるレンジ。『遠距離』はそれ以上遠くを扱う。中距離と遠距離での立ち回りは同じ。「その場から出す技が届かないギリギリの間合い」=中距離が特別なので強調してある。
この距離の概念はキャラの手足の長さも考慮する。手が短い女性キャラは近距離の間合いが狭く、熊やジャック、マードックのような大型キャラは反対に近距離として扱う範囲が広い。
近距離での立ち回りは感覚的に理解できていることがほとんどなので後回し、先に『中~遠距離』の立ち回りから解説する。中~遠距離の立ち回りは『三すくみのジャンケン』、グーはチョキに勝ちパーに負ける、パーはグーに勝ちチョキに負ける、というアレにたとえられる。いわゆる万年数字段と呼ばれるプレイヤーは、このジャンケンが身についていないことがほとんど。上級者からのアドバイスも、「ジャンケンができていない」の一言だったりする。
ジャンケンのグー・チョキ・パーに当たるのが『攻め・二択』、『牽制・置き』、『様子見・スカ』の三つの概念になる。
中~遠距離で使われるジャンケンで、一番理解しやすいのが『攻め・二択』の概念。ステップインや特殊ステップで相手に近付き、中段と下段の二択を迫る。
例、ボブのアプレスイープ~カッティングコッパ(☆
/下中)、特殊ステップ(
☆
)で接近してからの下段攻撃。ダメージがそこそこ高く、何度もくらうと相手はしゃがみガードを意識する。
この裏の選択肢が中段のクラッカージャック(/中中)。特殊ステップを見て、釣られてしゃがみガードしたところに中段判定を当てていく(
☆
)。『攻め・二択』は、中・下段を使って相手のガードを揺さぶりダメージを与えていくのだ。
『攻め・二択』のためにステップインで接近してくる相手を迎撃するのが『牽制・置き』の概念。相手の攻撃が届いていない場所に、『牽制』で技を『置いて』おく。
攻め(二択)のために接近してきた無防備な状態の相手を引っ掛ける。攻撃される前に攻めてきた相手を逆に返り討ちにできるので、二択によるガードの揺さぶりを拒否できる。
例、ボブが特殊ステップから二択を仕掛けるため接近してくる。ポールは右飛天脚(/中)を置く。ボブは引っ掛けられて宙に浮く……。
様子見することで『牽制・置き』の技を空振らせて、無防備になったところにスカし反撃するのが『様子見・スカ』の概念。
例、アリサがピックアップ(/中)を置く。一八はステップインで二択を仕掛ける……と見せかけて直前でバックステップ、空振りで無防備になったところに最速風神拳を叩き込む。
『様子見・スカ』の行動は、攻撃をしていない=相手にダメージを与えられない。様子見しているだけだと攻められてダメージを負ってしまう。
攻め・二択 | ○ - × | 様子見・スカ |
様子見・スカ | ○ - × | 牽制・置き |
牽制・置き | ○ - × | 攻め・二択 |
中~遠距離では、この三すくみの関係を意識する。相手の行動に勝つ選択肢を選んでいこう。
また、ボブは攻め・二択、一八は様子見・スカ、スティーブは牽制・置きという具合に、キャラによってそれぞれ得意な戦い方がある。攻撃は自キャラの得意分野を中心に組み立てると良いし、防御は相手の得意技の逆をついていく。
次節は各概念で使う技の具体的な特徴を詳しく述べていく。
まず前提、相手に届くようにステップイン()、風神ステップ(
☆
)や崩拳ステップ(
)等の特殊ステップで距離を詰めてから攻撃する。使う技はなるべくリーチのあるものを選ぶこと、空振り厳禁。リーチの短い技を二択に使う場合は、その分ステップイン等を深く行うフォローが必要になってくる。
特殊ステップは半しゃがみ状態。さまざまな入力でステップ動作をキャンセルできる。ステップイン()、奥移動(
☆)で立ち状態。
入れっぱなしでしゃがみ状態。
やニュートラルで立ち途中。ほかにも
入力など。こうすることでステップ後、ステップ固有技以外が出せる状態にして行動の選択肢を増やす。写真は一八、風神ステップをステップインでキャンセルして左踵落とし(
☆
/中)。
二択の中段選択肢でコンボ始動技を使えば、ヒットで一挙に大ダメージを与えることができる……のだが、基本的にコンボ始動技はガード硬直が大きく、確定反撃がある。ガードは立ちガードが基本。中段判定の技はもっともガードされやすい。ガードされるたびに確定反撃をもらいダメージを負うようだと、ジリ貧になってしまう。
というわけで二択の中段の選択肢でメインに使用する技はガードされたときに確定反撃がない技を選ぶ。
通常はガード硬直が-9F以下の技を選択する。ほとんどのキャラの最速攻撃は発生10Fなので、硬直-9F以下であれば確定反撃をもらわないで済む。
数少ない例外、吉光の吉光ブレード(/中)。発生6Fの攻撃、ただしリーチが短いので、ガード後密着状態となる技にしか成立しない。加えてその状況になる技がほとんどなかったりする。
写真は巌竜のホーミングアタック・ちゃんこスピン(/中、ガード硬直-8F)に吉光ブレードで確定反撃を入れたもの。
シャオユウも発生8Fの左さばき(/中)を持っている。
ガード硬直が-10F以上であっても有効な技も存在する。たとえばガードさせたときガードバック効果で間合いが離れる技。仁の胴抜き(/中)はガード硬直-11Fだが、ガードバックで間合いが離れるため(ほとんど)反撃を受けない。
平八の鬼神拳(/中)は確定反撃がキャラ限定になる技。ガード硬直-16F、ポールは鉄山靠(
/中)で確定反撃可能だが、一八は反撃可能な技がない。
そういう技でも、壁際だとガードバックが打ち消されて反撃可能になってしまったり、逆に壁際で確定反撃がなくなったり。
派生があるため反撃されにくい技もある。レイの昇流脚~背向け(/中)はガード時発生15F以内の技で確定反撃が可能だが、二段目派生の昇流連脚(
/中上)まで出し切られると、二段目があるために反撃できなくなる。対処を知らない対戦相手ならキャラ対策不足につけ込んでいける。
フレームだけでなく、距離の概念もからめてローリスクな技を探していこう。
二択・中段のメインで使う技は、ハイリターンを得られるコンボ始動技を使いたい。……のだが、だいたいそういう技は確定反撃あり。確定反撃なしのコンボ始動技を持つキャラは、ごくわずか。持たざるキャラは妥協してミドルリターンの技を使っていくことになる。ミドルリターンの中でも特にプラスアルファのものを選ぶといい。
吉光の峰打ち殺し(/中)はヒットで受身不可ダウン。相手のその場立ち・後転をステップイン~逢魔外法閃~金打(
) > 巌頭(金打中
)で空中拾い。
寝っぱなしに介錯(相手ダウン中)を当てる起き攻めが可能になる。
ダウンを奪える技は、起き攻めをからめることでさらに強い技に化ける。
頭向けうつ伏せダウンはその場立ち動作をはじめると、1~5Fまでダウン判定、6~15Fまで空中判定で、起き上がるまでのかなりの間、無防備状態になる。マードックのダンク・エルボー(/中)がカウンターヒットするとうつ伏せダウンになり、クエイクキック(相手ダウン中
)が確定。あえて確定追撃を入れず、その場立ちをステップイン~コンプレッサー(
)で拾いバウンド、寝っぱなしはダウン投げの二択起き攻めすることでダブルアップが狙える。
ラースのエルボーコロナ(/中)。ガードされて-11Fだが間合いが離れるので確定反撃はキャラ限定。ノーマルヒットでダウンに加えて、カウンターヒットでコンボ始動技にパワーアップ。「カウンター時にコンボ始動技になる」&「ガード硬直が小さい」の条件を満たす技は割と多く、中段メインとして使いやすい。
で出せるスラッシュキック系は相手ガードでこちらが大幅有利。動けないところをさらに二択で攻めることができる。ガードさせてもフレームが有利な技は単発ではダメージは高くないが、攻めを継続できるメリットがある。
余談。近~中距離の間合いでコマンドを完成させるゼロスラッシュ(ゼロ○○)は重要なテクニック。硬直中に
コマンドを先行入力しておき、硬直解除を見計らって残り
を入力する。
一八の左踵落とし(/中)はガードで相手を強制しゃがみにさせる。しゃがみ状態から出せる技は限られるので、次にとる相手の行動を読みやすく、状況をコントロールしやすい。たとえば毎度立ち途中
で暴れてくる相手は、横移動でスカして浮かせればいい。スカを警戒して様子見してくる相手には二択がかけれる。
ファランのエアファング(-
/中中)はガード硬直-5F&ガード時の間合いが近いので横移動スカを成立させやすい。ガード硬直-9Fとかになると横移動スカは狙えないが、手癖でジャブ=上段を打ってくるのであればしゃがみスカが狙える。
吉光の峰打ち殺し(/中)。ガードで間合いが遠いので、ガードさせてバックステップで様子見し、相手が脊髄反射で手を出しているようだったらスカで吹雪(
/中)をぶちかませる。
ボブのクラッカージャック(/中)。二段目ガード硬直は-17Fと大きく、ガードされるとコンボ始動技の反撃が確定する……のだが、二段目は一段目ヒット確認からのディレイ入力が可能、トータルダメージ49(総体力の27%)。単純に与えるダメージの大きさにも注目したい。
ブライアンのフライングヒール(/中)、飛鳥の圧勁(
/中)、一八の左踵落とし(
/中)など、ガードされて確定反撃がないコンボ始動技も存在する。ガード硬直が短いかわりにリーチが短い、発生が遅いなどの短所があるので、それをテクニックで補いながら二択に組み込んでいこう。
二択として使う技は、少なくともハイリターンの大二択、ローリターンの小二択と、二つのカテゴリを使い分けよう。ポールの崩拳ステップ()からの二択を例に説明する。
大二択は崩拳ステップ~竜王霹靂掌(☆
/下中中)、ハーフステップ~右飛天脚(
☆
/中)。ダメージの高い下段の崩し技・竜王霹靂掌を意識してしゃがみ気味になってきたところで、中段のコンボ始動技・右飛天脚からでっかく狙う。前述したセオリーに反して右飛天脚は確定反撃ありの技だが、他に使いやすい技がないので割り切って選択肢に盛り込んである。大二択は体力に余裕があるとき、相手を殺しきれるときに使う。
小二択はハーフステップからトゥースマッシュ(☆
/中)と生ロー(
/下)。与えるダメージは小さいが、使われている技の動作がコンパクトで、ガードされたとき、スカされたときのリスクは小さい。
相手の体力が残りわずかなときは小二択で十分だし、間合いをとるのが上手い相手に無理やり大二択を通すのは難しい。状況で小二択、大二択を使い分けよう。
カテゴライズは小・大の二つにこだわる必要はない。中クラスの二択カテゴリを作っても良い。ポールの場合、中段は抜山(/中)、下段はハーフステップ~シットスピンキック(
/下)、弦月(
/下)など、他にも選択肢がある。
下段のかわりに投げを使い、中段 or 投げの二択を迫るやり方もある。入力系のコマンド投げは入力にステップイン動作を含み、予備動作で相手に近付くため中距離から使いやすい。マードックのアトミックバスター(
)、ボブのフライングカスク(
)、ロウのドラゴンニー(
)などは、投げ追撃にコンボ可能で大ダメージが見込める。
入力や
入力のコマンド投げも
のように入力して、中距離の間合いから狙っていける。
コマンドで出るキングのシャイニングウィザード、アーマーキングのシャイニングケンカキック、ラースのS.H.B.。入力コマンドの性質上、中距離から近付きながら相手を掴む。また、投げ掴みの発生が早く(シャイニング10F、S.H.B.11F)、牽制技や空中の相手も吸い込んでしまう。
余談。近~中距離の間合いで繰り出される零シャ=ゼロ距離シャイニングウィザードは対応に相手の反応を要求する高度な崩しになる。
キングのワンダフルメキシカンコンボ( or
)、アーマーキングのダークネスマグマドライヴ(
☆
or
☆
)、ブルースの膝地獄コンビネーション(
☆
or
☆
)などは、特殊ステップや特殊予備動作で接近しつつ、投げコンボに移行できる。掴み手が投げ抜けと食いちがうオマケもついてくる。
ダメージの高いコマンド投げのリーチの短さを、簡易入力や分割入力を駆使して、ステップインや特殊ステップと組み合わせて補う方法もある。写真はエディのヴィラール()。簡易コマンドは
で、
や
と入力することで、ステップインから素早く発生させることができる。
各キャラの簡易入力、分割入力を使った特殊コマンド投げ入力はリンク先トピックを参照。また、☆
のように、特殊ステップ=半しゃがみ状態をステップイン(
)や奥移動(
☆)でキャンセル=立ち状態に戻して、あらためてコマンド投げを仕込む方法もある。
相手が攻め・二択で接近してきたところを引っ掛けるのが牽制・置き。置く間合いは中~遠距離だが、厳密には使う技の先端がぎりぎり届かないくらい。ステップインで相手が間合いに入ってくるタイミングや、相手が暴れてくるタイミングを読んで置くのが理想。逆にバックステップ(~しゃがみ)のタイミングは上手く外すこと。
使う技に求められる性能は次の二点。
入力に代表されるハイキック。カウンターでダウンになり、基本的にコンボ可能。発生が早く、空振りの隙が小さい。中距離で積極的に置くが、近距離でも牽制で置いたり、フレーム有利時の対暴れに置いたり。ちなみにクマ、ワン、ロジャー、レイ、エディ・クリスティは、体格や軸の関係でコンボが入りづらい。
ハイキックではないが、スティーブのクイックフック~フリッカー構え(/上)、キングのスプリントフック(
/上)、ドラグノフのスマッシュサミング(
/上)なども便宜上このカテゴリに入る。ニーナやブライアンの
系のように派生があるためスカを入れにくいものもある。
上段系の空振り性能比較はリンク先トピック参照。
上段攻撃には確定反撃のないコンボ始動技もいくつかある。ハイキック系と同じく相手の進行上に置いて相手を轢こう。代表格は三島家が使う最速風神拳、ガードさせてむしろ有利になる。
ほか、ボブのラングワッシャー(☆
/上)、ブライアンのジェットアッパー(
/上)。
巌竜の大鷲掴み(/上)、マードックのモンゴリアンチョップ(
/上)等々。
ただしハイキック系よりも空振りの硬直が大きいので、リーチ足らずやしゃがみでスカされないように注意。読まれるような下手はうたないように。
入力に代表されるショートアッパー。大きく、立ちを浮かして(しゃがみは浮かない)確定反撃がない、カウンターなら浮く、立ちしゃがみ関係なく浮くけどガードで確定反撃がある、の三つの種類に分類される。リーチが長くガード硬直の短い技ほど高性能。上段のハイキック系と違って中段になった分、空振りの硬直が大きくなる。
最後のとどめはリターンがいらないので、アッパー以外の中段技にも需要がある。中段系の性能比較はリンク先トピック参照。
入力に代表されるライジングトゥーキック系。
入力で出すこともある。特筆すべきはジャンプステータスで、二択の下段・投げ攻撃を拒否できる。運がよければ中段攻撃も空中ヒットで済ませることができる。ただし空振り時の隙がかなり大きくリスクが大きい。これを連発していると暴れ・ぶっぱ扱いされ、人間性能を低くみられることがある。上手く使うには相手の攻めの匂いを嗅ぎ取り、適所で繰り出すセンスが必要。
ライジングトゥーキック系の亜種。ブライアンのフライングヒール(/中)のような、ジャンプステータスがあり、発生が遅くなるかわりにガードされて確定反撃がない系統。やはり二択の下段・投げを拒否できる。攻め・二択にも使われる。
ライジングトゥーキック系とあわせて、性能比較はリンク先トピック参照。
低い姿勢で相手の中段攻撃を潜りつつ、相手を蹴り上げて後方に下がる技。レイヴンのホイールエッジ(/中)、飛鳥の竜車蹴り(
/中)、ジュリアの連環転腿(横移動中
/中中)など。
ガード硬直はあるのだが、ガードで間合いを離すのでキャラ対策ができていないと反撃されない。空振りのときはリーチのある技でないかぎり反撃されない。空振りの隙を技後の間合いで帳消しにしている。
下段足払いをはなち、相手の接近の出足を刈る。また、低い姿勢で相手の中段攻撃を潜る。バックステップから置くのが基本。下段足払い系はガード硬直が大きいものがほとんどだが、状況を選んで使えば相手はまず反応できないので、十分にリターンをとっていける。
空振りすると硬直が短くなる性能を持つものがある。レイの後掃腿~酔歩(/下)はガード硬直-24F、ガードされれば確定反撃でコンボ確定だが、空振りした場合は酔歩移行で硬直をゼロにできる。
性能比較はリンク先トピック参照。
立ち途中入力に代表されるトゥースマッシュ系。攻撃力は高くないが、発生が早い、隙が小さい、判定が強い。バックステップ~しゃがみで様子見しながら置いていこう。
しゃがみは相手の下段によって入力を使い分ける。ガードからの確定反撃でコンボが期待できる大技中心なら=しゃがみガードを刻む。
確定反撃のリターンが小さい小技に対応するなら、=下段捌きでしゃがむとチャンスにつながる。
中段のリーチに不安があるキャラにも有効で、関心の薄いプレイヤーが操るアーマーキングやロジャーはこの立ち回りだけで処理できてしまう。
カウンター等の状況判断で二段目まで出し切るタイプの技は、連続ヒットのほか、二段目警戒で相手を固めることもできて使い道が広い。
バックステップ~しゃがみで様子見する立ち回りはスカにもつながる。
特殊ステップとも組み合わせやすい。半二択、半牽制になる。
トゥースマッシュ以外でも、発生は劣るが空振り硬直が短い、高性能の技を持つキャラがいる。性能比較はリンク先トピック参照。
中距離に投げを置いて相手のステップインを吸い込む。投げ空振りの硬直は発生12Fの通常投げも、発生10Fのジャイアントスイング(/左投げ)も同じ、一律39Fである。どの位の硬直かというと、ハイキック≦投げ<アッパー、数値的にはかなり優秀。発生も早く、リーチと投げ抜けの問題さえクリアすればかなり有効。
一部のコマンド投げはバックステップや山田ステップ、野口ステップ(後述)に組み込んで発生させることができる。詳しくはリンク先トピック参照。
空振りの隙が最小のジャブを刻む。スラッシュキック()系やフライングヒール系、キング系キャラのナックルボム(
/中)のような、発生が遅いジャンプステータス中段攻撃を撃墜、拾ってコンボにつなぐ。隙は大きくなるが拾えるレシピがあるのならハイキックで代用できる場合がある。
隙の小さい技をわざと空振らせ、隙を見せて相手の攻撃を誘い、攻撃してきたところを発生の早い or 判定の強い技でカウンターを取る。釣り針はハイキックやトゥースマッシュがやりやすい。
しゃがみ帰着の技や下段足払い系を釣り針に、立ち途中攻撃やライジングトゥーキックも意外に引っかかる。それ以外でも、キャラによっては意外な釣り針=硬直の短い技が存在するので調べてみよう。
空振りではなくガードをさせる牽制・置き技その1。相手の横移動をつぶすために置いておく。ステップインから出そう。ステップイン動作を入れることで横移動に軸合わせをしつつ、空振りしないようにリーチを補うことができる。
技全体が横に薄いファランは、ステップイン~ミドルクレイモア~右構え(/中、ホーミング技)の立ち回りが必須。
ホーミング技が、リーチが短かったり、確定反撃があったり、発生条件が立ち途中攻撃だったりで使いにくいキャラは、ホーミング技以外で横に強い技を探す必要がある。ポールの場合、ホーミング技・鼓打ち(/中)が使いにくいため、対横にはステップイン~撥双打ち(
/上)や弦月(
/下)を使う。
ホーミング技以外でも使いやすい技がないキャラは、片横に強い技を左右それぞれ探そう。
余談。対横は横移動=様子見をつぶすのだから、牽制・置きではなく攻め・二択の節で扱うべきなのかもしれないが、対横で二択可能なキャラは少ないのでここで扱った。
空振りでなくガードをさせる牽制・置き技その2。リーチが長い技をチョイスしてバックステップや牽制・置き技にプレッシャーかけていける。
ケース1。相手がバックステップするところに置き、バックステップ中の無防備状態や、バックステップ~牽制の枕を押さえていく。
例。アリサのトゥースマッシュ(立ち途中)をガード。ガード後の間合いは遠め。アリサはバックステップ~ピックアップ(
/中)を置いてくるので、一八はリーチの長い左踵落とし(
/中)を置いておく。写真ではアリサのピックアップのモーションが出てしまっているが、理想はバックステップ中に距離を詰めて左踵落としを当てる。
ケース2。相手が置き技を置きそうなところに先に置く。牽制・置きの認識が甘いプレイヤーなんかに有効。乱戦の中距離ではなく、安全圏の遠距離まで下がって牽制を置いてくるので、こちらはその場から出せるリーチの長い技を置く。バックステップ等による間合い取りにかかったタイムロス分、こちらがの技が相手に早くヒットする。
例。リーといえば牽制・置き技。前に出てこないリーであれば一八の鬼蹴り(/中)のようなリーチのある技を置いていけばいい。相手は自分が置く前につぶれてくれる。
様子見で相手の攻撃をうかがい、技の空振りにスカ反撃をきめる。使う技に求められる性能はシンプルに二つだけである。
これだけでは実も蓋もないので、目的別に技を選んで使い分けていこう。
発生、リーチに加えてコンボ始動技であること。当たることを前提に使うのでガード硬直が大きい技でもOK。通常はこの技でスカ確定を狙い、他を状況別に使い分けていこう。
三島系のもつ風神拳(☆
/上)はコマンドを省いた部分の発生はなんと11F! リーチも長く、理想に限りなく近い(中段だったら文句なし)スカ確技。
キャラによってはメインに対してサブのスカ技が必要。三島系は上段判定の風神拳(☆
/上)がメイン。低い姿勢の相手には当たらないので、サブで中段判定のスカ技を使う必要がある。
レオの跳山瀑布(/中上下)は三段目が潜るので、一八は六腑凶襲拳(
/中上)で反撃。
横スカの場合、リーチは必要がないこともあるので、出しやすい技に切り替えていい。また、側面ヒットはコンボレシピに影響する。側面ヒット時のコンボレシピをあらかじめきめておく必要がある。
ポールのスカメインは崩拳(/中)だが、横スカではショートアッパー(
/中)の方が使いやすい。
メインで使うものより発生が早いもの。発生10~13Fくらい。ちょっとした隙にねじ込む。
ブルースのベーンボーン(/上上)は発生12Fの連続ヒット。リーチもほどほど長い。同系統でボブのサークルワッパー(
/上上)、ラースのデスマスク(
/上上)などがある。
メインで使うものよりリーチが長いもの。発生は遅くてもかまわないが20F以内くらい、スカ確に失敗しやすいのでガード硬直は短いものが理想。連続ヒットのものは二段目を状況確認で出し切っていく。遠距離で相手が空振ったときにスカ確、できなければプレッシャーをかけるために使用。
ラースのインパルスプラス(/中上)、発生20Fでリーチが長く、二段目まで連続ヒット。
しゃがみでスカした場合に使う技もきめておく。メイン技と同じく発生・リーチ・コンボ始動技の三要素を基準に選ぼう。しゃがみ中入力技、立ち途中技に加えて、や
入力の技も選択肢に入る。
一八の魔神拳(立ち途中/中)はリーチに加えて横の判定も強い。
スカ確定は成功させるのが前提だが、リスク対策で失敗に備えて次のような技を選んでおくのもいいかも。センスがなくても簡単に使いこなせるので、スカ確定に不慣れな初心者向き。
相手の空振り硬直に二択をかける。相手も牽制・置きに空振り硬直の短い技を選んで使っている……はずなので、暴れに負けないように、発生の早い技で二択をかけていこう。近距離の空振りに有効。その場から出せる技、下段(ローキック系)中心で行おう。間合いの遠い相手に対して接近から二択をかけようとすると、ステップインのタイムロス分、暴れで介入されてしまう危険が高くなるので注意。
というわけでラースの生ロー(/下)。ダメージはないよりマシ……ではあるが、こういう細かいダメージの積み重ねが勝利につながる。裏でときどきウィービングビード(
/中中)。
リーチが長くガードで確定反撃のない技を置いて、相手の暴れを抑制する。使う技は牽制・置きの「バックステップ&置き牽制」で扱った技と同じもの。中距離の空振りに対して有効。マードックのローリングバックナックル(/中)は超リーチ・ホーミング・カウンターでコンボ始動と三拍子が揃っており、この使い方をさせるとトップクラスの性能。
空振り硬直にタックル系の技を重ねる。一八、ポール、キング、アーマーキング、ドラグノフがもつアルティメットタックル系は、一律発生26F。リーチがあって超強力なマードックのクラウチングスタイル~スピアタックル()は上段発生24F、中段発生30F。だいたいの技の空振り硬直が40F前後なので、硬直差を考慮すると、しゃがみパンチやジャンプステータスでの回避が間に合わないことがほとんどだったりする。こういう攻め方してるヤツにもし負けたらリアルでぶん殴りたくなるかもしれんが、キング・ドラグノフ・マードックに関してはリターンが見込めるので確かに有効な戦術だったりする。
リーチがあって、ガードで有利になる技をかぶせてセットプレイに持ち込む。相手が暴れていたらヒットも見込める。空振らせている時点で有利フレームをとれているのにそれを捨てるので、ちょっぴりもったいない気もする。ブライアンのチョッピングエルボー(/中)やキング系のナックルボム(
/中)が該当。スラッシュキック系も含む。
ステップイン 特殊ステップ バックステップ |
× |
立ちガード しゃがみガード バックステップ 横移動 低い姿勢の構え |
ぶっちゃけ、ほぼ左にある組み合わせだけである。
一応、攻めと守りの二種類の様子見が存在する。攻めの様子見はステップイン、特殊ステップで攻めの二択を匂わせ、攻めているフリをして、相手の牽制・置き技を空振らせる。
一方、守りの様子見は、バックステップで下がりながら、相手の攻め・二択をスカして確定反撃をいれる。
横移動でスカす場合、キャラ対策が必須になる。相手が牽制・置き、または攻め・二択で使用する技の横の弱い方向を知っていないと有効的に立ち回れない。写真、レオが攻め・二択でぶっぱなしてくる跳山瀑布(/中上下)。キャラ対策で「跳山瀑布は左横移動に弱い」という情報をあらかじめインプットしておき、「左横移動に弱い跳山瀑布が使われる」と見当をつけて横移動すればスカを成功させやすい。
牽制・置きはハイキック(/上)、ショートアッパー(
/中)=右技が使われることが多いので、右横移動が有効であることが多い。
様子見は牽制・置きや攻め・二択とリバーシブルな関係にある。バックステップから牽制・置きで迎撃、ステップインから牽制・置きで迎撃、ステップインからスタンダードに攻め・二択……。他の行動があってこそ様子見が活きてくるので、立ち回りが様子見ばかりに偏らないように注意。
慣れないうちはなかなか「スカ」の状況を作れないので、まず横スカからチャレンジしよう。CPU相手にステップイン~右横移動~横歩きとすれば状況が発生しやすい。横移動中は無防備なので不安かもしれないが慣れていこう。相手の空振りを確認してからスカ技を叩き込む。
縦スカはバックステップ~しゃがみから行う。しゃがみ状態は中段に無防備になるので不安かもしれないが、慣れよう。
しゃがみから練習するのは、一見スタンダードに見える立ち状態での縦スカがものすごく難しいから。やたら相手の技にひっかかって、まともにスカすことができない。
縦スカは間合いとタイミングが合致してようやくチャンスがくる。上級者ほど隙のある技を空振りで振らなくなっていき、発生の早い小技をスカにねじ込んでダメージを安定して稼ぐことになるケースがほとんど。意図的にメイン技を当てられる状況を作るには高度な駆け引きが必要。極論、立ちで縦スカするくらいなら失敗を前提にした立ち回りを選んだ方が確実。
一応、メイン技を当てるためのテクニックが存在する。系、
や
☆
で出すスカ技は、あらかじめコマンドを入力しておき、スカを確認して攻撃ボタンを追加入力するのだ。
例。ポールはを入力して接近。アーマーキングの攻撃がスカったのを見て、追加入力
で崩拳(
/中)を発生させている。
レオの仆歩、ザフィーナのマンティス、シャオユウの鳳凰、カポエラの座り、クマ・パンダのハンティングスタイル、レイの寝るなど。低い姿勢になることで相手の攻撃を潜れる効果を活用すれば、より積極的に相手の攻撃をスカすことができる。構えによってはやられ状態が空中判定やダウン判定になり、浮かせ技~コンボが成立しない。被ダメージは必要経費と割り切り、一回スカ成功でリターンをとる効率勝ちを狙えるのだ。ダメージを恐れるな! ……まぁ、あんまりあからさまだと、ことごとく潰されてジリ貧になるのだけれど。写真ではエディがステップインから座っているが、ホントはバックステップとの組み合わせの方が相性がいい。
攻め・二択の節でも触れたが、相手ガード時の特殊効果を利用、強制しゃがみ、密着、ガードバックを利用して状況を作る。
マードックのプッシング(/中)、ガードバックで距離が開くので、バックステップで様子見してスカを入れる。「ガード」「バックステップ」「スカ」の三点の意味を正しく結ぶことができないプレイヤーにとって、プッシングは意味不明な布石となり、連係としても意識されないため、ガード後うっかり手を出す相手には何度でも通用する。ガードさせるだけでコンボチャンスが作れるのは美味しすぎる。「ガードから」は状況を作りやすいので、初心者プレイヤーはこの組み立てから様子見・スカに慣れていくといいかも。
バックステップは☆
と入力すると、しばらくの間バックステップ硬直に陥り、続けてバックステップを入力しても連続して行うことができない。
☆
☆
☆
☆
☆
と
×6 入力したところで、バックステップが二回しか出ない。
山田ステップ・野口ステップは高速バックステップを行うためのスタンダードなレバーテクニックである。身に付ければ間合いを自在に調節できるようになり、中~遠距離の立ち回りが飛躍的に向上する。
略称は山ステ・野ステ。前者は山田キング、後者は野口ロウと呼ばれる人によって開発された……らしい。当事者じゃないので詳細不明。
山田ステップは、バックステップの硬直をしゃがみ入力()でキャンセルする(↑写真、真ん中の画像で姿勢が少し低くなっているところに注目)。連続してバックステップを行う場合の入力は、
☆
☆
☆
……となる。
部分の入力がミソ。バックステップを行った(
☆
)ときの二回目の
入力をニュートラルに戻さず、
に入れたままグリッと
入力する。
で二回目のバックステップ入力の最初の
入力がなされており、続けて☆
と入力すると二回目のバックステップ入力が完成する。
「☆
☆
でもできる」という発言もチラホラある。これは
入力から☆
入力するときに、レバー入力がすべって
入っちゃってるだけ。
初心者はとりあえず☆
☆
、バックステップ×2が出せるようになることを目標にしよう。1P側、2P側どちらでも入力できるようになる必要がある。バックステップ×2の発生が
☆
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入力と同じか、それより早いくらいで完成できれば実用。実戦ではバックステップ×3程度まで連続入力できれば十分だったりする。
野口ステップは、バックステップの硬直を横移動(☆ or
☆)でキャンセルする。連続してバックステップを行う場合の入力は、
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☆
☆
……となる。
野口ステップの後退は、入力の関係上、山田ステップよりも遅いのだが、必須テクニックである。横移動しながらというのがミソ。横移動することで相手の攻撃をかわしたり、壁に対する位置を修正したりできる。x軸移動だけではなくy軸移動にも重点を置いているといえる。
ので、硬直キャンセルの☆入力、
☆入力から次の
☆
までに適度な間をおいて横移動幅を調整する。他、バックステップにかぎらずステップインから使用したり、横移動~横歩きに発展させたり。
初心者は1P・2P側だけでなく、右移動(☆
☆
)・左移動(
☆
☆
)、横移動~横歩き(
☆
☆
☆
)まで自在にできるようになることを目指そう。
バックステップの☆
入力後、
入力をニュートラルに戻してしまった場合のバックステップ硬直は、ニュートラルガードが解除され、立ちガードが実行されない。バックステップのあとでうっかり
入力を外してしまう癖がある人は、
☆
という具合に
を入れっぱなしにするよう矯正しよう。